少女らが頬を染め羞らう
私は道野辺の花を摘み
いにしへのくにへゆかう
音もなく砕けるあれは白浪
緑のない丘陵を離れ
誰ひとり聞かぬ音を奏でる
あれは悲しみに沈んだ成れ
声のない歌を捨てる
無窮の感情にひたり
彼のことを忘れ去り
幾たび目かの死を思ふ
叛星はしづかに耀き
わたしの胸を抱き
いづれかの恋のすゑを笑ふ
2008年05月25日
ソファで
うつむいたきみの横顔に
拒絶の色がしめされている
ぼくは黙ってとなりに座り
染まらない空を見つめている
きみと初めてくちづけた日
ぼくは人生の歓びに触れかけていた
きみと初めてとけあった日
ぼくはうしなった居場所をとり戻した
うつむいたきみを美しいと思う
くちびるを噛むきみをどんどん好きになっている
顔中を花にして笑うきみと同じくらいに
いたみに堪えるきみがぼくは愛しくてならないんだ
こぼれるまえの涙のひと粒ひと粒に
ぼくの知らない言葉が隠されている
ふるえはじめた肩を抱きしめ
いつかその意味を知りたいと願っていた
拒絶の色がしめされている
ぼくは黙ってとなりに座り
染まらない空を見つめている
きみと初めてくちづけた日
ぼくは人生の歓びに触れかけていた
きみと初めてとけあった日
ぼくはうしなった居場所をとり戻した
うつむいたきみを美しいと思う
くちびるを噛むきみをどんどん好きになっている
顔中を花にして笑うきみと同じくらいに
いたみに堪えるきみがぼくは愛しくてならないんだ
こぼれるまえの涙のひと粒ひと粒に
ぼくの知らない言葉が隠されている
ふるえはじめた肩を抱きしめ
いつかその意味を知りたいと願っていた
小人国
いとしい
と思えるものの総てに
唾を吐きかける
理解を得たいとさけぶ子のように泣きわめいたゆうぐれ
雨のせいで 私は濡れていた
愛しさはやさしさの欠片ね
私のなかに私でない部位があり
そこが時折
疼くようにゆめをみせている
小さな私は 小さな国に住む
ひとり草の裏側で笑う
と思えるものの総てに
唾を吐きかける
理解を得たいとさけぶ子のように泣きわめいたゆうぐれ
雨のせいで 私は濡れていた
愛しさはやさしさの欠片ね
私のなかに私でない部位があり
そこが時折
疼くようにゆめをみせている
小さな私は 小さな国に住む
ひとり草の裏側で笑う
湖岸
1
湖岸に立てば小さな音が聞こえる
甲高く
糸のように細い連なりで
私を取り残して続いていく
2
夕焼けの紅さを笑ってみている子供
あなたには世界が耀いているのね
もう誰も知らない世界を
その丸い瞳でみているのね
3
手を伸ばせば届くと思っていた
手を伸ばしても届くことはなかった
何も届かない
届けることが出来ない
4
手をつないで歩いていました
歩いているだけで幸せでした
幸せすぎて怖くなりました
怖いから振り払いました それから先は
5
釣竿に釣られている稚魚が云うには
これまでもこれからも大して違いはないとのことです
死んだ目で見てくれるなと
稚魚は呆れ顔でのたまっています
6
どうして好きなんだろう
口が悪くてすぐイライラして
物や私に当たってばかりいるやつなのに
俯かれると胸の奥が痛くなる なんで?
7
遠くから来た風に吹かれながら
近い人のことだけを想っている
たばこに火をつけても
風のせいでうまくつかないのに
8
笑顔を強制する女には疲れるから
男はときどき素知らぬ顔で湖岸を見る
笑顔を強制する女も素知らぬ顔で
道端の花を手折っている
9
自転車に二人乗りしているのはたぶん私と
大好きだったあのひとだろう
顔と声とが溶けてしまった
影男だがたぶん彼だ
10
紐につながれた犬が駆けてくる
三つ編みのおんなの子を連れて駆けてくる
何かが始まったような表情をして
息を弾ませ駆け過ぎていく
11
水の中には水の中の記憶
風の上には風の上の記憶
丘の下には丘の下の記憶
私だけが留まれていない
12
ビール瓶越しに見た湖面は
お日さまの匂いがします
大事な頃にかいだような
優しい気持ちがつまっています
13
陶器のように投げられたら割れちゃうのかな
面白くなくても笑ってれば
誰かさんでいられるものね
今日の私も白っぽい顔で笑う
14
きみの髪を撫ぜると
きみが呼吸を止めてしまう
唇を吸うだけで
生き返ったらいいのに
15
湖に向かって建つ家に住むのが夢だった
今日の夕陽をベランダで浴びている夢
夜 波音を聞いて眠っている
夢の中で逢いたいひとに逢うので
16
椅子に坐って話をする
当たり前のことを当たり前にしゃべらないで
私の口をさえぎるのはいつだって
とうの昔に息絶えた女
17
ポケットに入れた掌で
いつかの約束を握っているんだ
強く握り締めないとこぼれてしまう
かくさないと風にさらわれてしまう
18
あちらの方で呼んでる気がした
あちらの方を呼んでいるのにね
みんな怠け者なんだ
居心地の好い場所から動きたくない怠け者さ
19
凪いだ時には凪いだ顔でいればいい
嵐の時には誰にも見せなくていい
分かり合えると想わないで
分かり合えると信じていて
湖岸に立てば小さな音が聞こえる
甲高く
糸のように細い連なりで
私を取り残して続いていく
2
夕焼けの紅さを笑ってみている子供
あなたには世界が耀いているのね
もう誰も知らない世界を
その丸い瞳でみているのね
3
手を伸ばせば届くと思っていた
手を伸ばしても届くことはなかった
何も届かない
届けることが出来ない
4
手をつないで歩いていました
歩いているだけで幸せでした
幸せすぎて怖くなりました
怖いから振り払いました それから先は
5
釣竿に釣られている稚魚が云うには
これまでもこれからも大して違いはないとのことです
死んだ目で見てくれるなと
稚魚は呆れ顔でのたまっています
6
どうして好きなんだろう
口が悪くてすぐイライラして
物や私に当たってばかりいるやつなのに
俯かれると胸の奥が痛くなる なんで?
7
遠くから来た風に吹かれながら
近い人のことだけを想っている
たばこに火をつけても
風のせいでうまくつかないのに
8
笑顔を強制する女には疲れるから
男はときどき素知らぬ顔で湖岸を見る
笑顔を強制する女も素知らぬ顔で
道端の花を手折っている
9
自転車に二人乗りしているのはたぶん私と
大好きだったあのひとだろう
顔と声とが溶けてしまった
影男だがたぶん彼だ
10
紐につながれた犬が駆けてくる
三つ編みのおんなの子を連れて駆けてくる
何かが始まったような表情をして
息を弾ませ駆け過ぎていく
11
水の中には水の中の記憶
風の上には風の上の記憶
丘の下には丘の下の記憶
私だけが留まれていない
12
ビール瓶越しに見た湖面は
お日さまの匂いがします
大事な頃にかいだような
優しい気持ちがつまっています
13
陶器のように投げられたら割れちゃうのかな
面白くなくても笑ってれば
誰かさんでいられるものね
今日の私も白っぽい顔で笑う
14
きみの髪を撫ぜると
きみが呼吸を止めてしまう
唇を吸うだけで
生き返ったらいいのに
15
湖に向かって建つ家に住むのが夢だった
今日の夕陽をベランダで浴びている夢
夜 波音を聞いて眠っている
夢の中で逢いたいひとに逢うので
16
椅子に坐って話をする
当たり前のことを当たり前にしゃべらないで
私の口をさえぎるのはいつだって
とうの昔に息絶えた女
17
ポケットに入れた掌で
いつかの約束を握っているんだ
強く握り締めないとこぼれてしまう
かくさないと風にさらわれてしまう
18
あちらの方で呼んでる気がした
あちらの方を呼んでいるのにね
みんな怠け者なんだ
居心地の好い場所から動きたくない怠け者さ
19
凪いだ時には凪いだ顔でいればいい
嵐の時には誰にも見せなくていい
分かり合えると想わないで
分かり合えると信じていて
2008年02月11日
残照パラダイム
ぬりつぶした血色の空に
卵をすりつぶした日
ひとつのいのちをおざなりにした罪を
購わずに哂うのだろう
たれでもない私の為に きみの児を孕みながら
とうに終わったはずのことばに縋った
ひとりの部屋できみを待ちつづける
空虚な胎に呟きながら
卵をすりつぶした日
ひとつのいのちをおざなりにした罪を
購わずに哂うのだろう
たれでもない私の為に きみの児を孕みながら
とうに終わったはずのことばに縋った
ひとりの部屋できみを待ちつづける
空虚な胎に呟きながら
桜色
さくら色
愛しすぎた報い なみだする夕べに
帰らぬきみのぬくもりを捜す
たれが僕を殺し たれが啼くのか
褪せていく想いを抱えて
ゆめにつぐない うでを掴んでも
戻ることなく僕を忘れていく
愛されぬ哀しみ きみはよその人に
さくら色
愛しすぎた報い なみだする夕べに
帰らぬきみのぬくもりを捜す
たれが僕を殺し たれが啼くのか
褪せていく想いを抱えて
ゆめにつぐない うでを掴んでも
戻ることなく僕を忘れていく
愛されぬ哀しみ きみはよその人に
さくら色
2008年02月07日
呉竹
ゆき白が見せた夢に破竹の音が響いた
背負う重さに耐え切れずに
折れた裂け目に新しい華が咲く
頬を歪めて 俯き見たつま先
どれほどに踏みつけても
穢れを知らずに道は続いてゆくのね
無垢というのは笑わない対価
終わらない哀しみを呑みくだす乳飲み子
踏みしだいた夢の名残に 永劫の決別を感じていた。

